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−漆に込める
                   琵琶湖の水草− 

Chisako Mochizuki  

 望月 知沙子 

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漆芸の中での
水草利用方法

 

初作品にはまず水草の灰を利用する事とし、

漆芸技法の中でどの様な形で利用出来るか試作を重ねた結果、

『蒔く』という方法が材料として扱いやすく見映えにも水草の特徴を活かせたのではないかと思う。

漆工芸の制作工程の中で、

髹漆工程(下地~上塗り)の中では「地の粉」や「乾漆粉」を『蒔く』、

装飾工程(蒔 絵)では「金」や「銀」等の金属粉を『蒔く』、

という様に様々な工程で色々な粉を使い分けている。

今回は装飾工程(蒔絵)で水草の灰を蒔き、マットで柔らかなマチエールを活かしたデザインの漆器を制作した。

                                                                        制作工程

漆を接着剤代わりとし、漆を塗った上に灰を蒔き、その灰を漆で塗り固め滑らかに研ぎ出す、 というのが今回行った作業。

灰の接着の為の漆塗り → 水草灰蒔き/一週間乾燥 →   灰を定着させる為の漆塗り/一週間乾燥 → 灰の部分の研ぎ → 全体研ぎ磨き → 完成

水草灰×漆の特色

スクリーンショット 2026-02-08 144240.png

水草灰と漆との相性は良いとは言えず、詳細は今時点不明だが格段に漆の硬化速度が遅くなる。

通常2、3日で硬化するものも、

一週間[室(漆を乾かすための湿度70%位、室温20℃位に設定した部屋)]の 中に入れたままで

やっと爪の跡がつかない程度に硬化する。

灰には硬い不純物も多く混ざっておりそれらが混ざらない様、

蒔くときには紛筒(葦で作った金粉等を蒔く道 具)や茶漉し等で

ふるいにかけながら蒔く様にする事で

仕上がりの触感が滑らかになる。

↑琵琶湖の葦を利用して作った粉筒

想い

琵琶湖やこの地の自然に心を動かされ、それを原動力とし作品制作を行う自分にとって、 琵琶湖の水草が工芸材料として存在するならば使ってみたいと思う事はごく自然な流れであった。

作品一つ一つにそれぞれの物語を感じさせる事に重きを置き、漆を使って表現する事が生業である私には、

琵 琶湖の水草という素材はそれを伝える手段として大きな説得力を持つ材料だった。

 

第一弾として水草灰を漆器という普段使いできる作品に利用したが、今後は美術作品にも取り入れることによって

より多くの人の目に触れ関心を持ってもらえれば、そこからまた新たな価値が生まれ更に良い方向へ拡 散されていけばという想いを持っている。

望月知沙子.jpeg

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​一般社団法人 琵琶湖の水草工芸利用研究会

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